室鳩巣

江戸中期の儒学者。医者の子として谷中に生まれる。
加賀前田家に仕えたのち、幕命で京都へ赴き、五代将軍綱吉の侍講(将軍に学問を教える公職)であった木下順庵(1621―1698)に学ぶ。同じ門人で六代将軍家宣の側近だった新井白石(1657―1725)の推挙で幕府の儒学者となる。湯島聖堂で朱子学の講義も行った。家宣、家継、吉宗の三代に渡って仕え、幕府より駿河台に屋敷を与えられた。とくに八代将軍吉宗の代にはブレーンとして、享保の改革を補佐する。
晩年は「駿台」と号し、『駿台雑話』という著書を残した。
赤穂浪士事件のとき、『義人録』を著して、浪士たちを顕彰している。
また『鳩居堂』の命名者としても知られている。